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2022/02/02 09:19


今年は地球規模で感染症が継続、トンガの火山は噴火し、冷夏も懸 念されると言う年明けでしたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。


 新型コロナウイルスオミクロン株が蔓延し、毎日更新される陽性者 の数も第5波とは比べ物にならないほど多く、特に幼稚園、保育園、 小学校、中学校と接種できていない層の要請が止まりません。


私達 大人にできることは、徹底した予防(ワクチン接種を含めた)しか ありません。そして一番の対策は、不織布マスクの着用、石鹸での 手洗い、黙飲食、です。


今の流行で症状が悪化しているのはワクチ ン未接種の方々です。そして妊婦さんも未接種の方の重症化、胎児 への影響が既にわかっています。(妊婦への接種の安全性はすでに 確立しています。)


皆様どうぞ、感染予防の徹底を続けてください ね。


 さて前置きが長くなりましたが、今日は更年期の症状について少し。


 前回は、卵巣機能が変化し、エストロゲンやプロゲステロンのアン バランスが起こり、最終的にそれらが低下して更年期症状が起きる ことをお話ししました。


 「最近なんだかいろいろ不調があるのだけど、でも、これって更年 期症状なのかしら?よくわからないのだけど、大丈夫かしら?」 そうですよね、この症状果たして更年期なのか、それとも他に何か 病的なのものがあるのか、よくわからないから不安になってしまう 事ありますよね。


 わかります。 なにしろ『更年期の症状』と呼ばれるものはとても多岐にわたるの です。 いわゆるホットフラッシュと呼ばれるのぼせやほてりから始まり、 頭痛、めまい、耳鳴り、物忘れ、記憶力低下、不眠、不安感、全身 疲労感、口の渇き、喉のつかえ、肩こり、動機、息切れ、食欲不振 や食欲過多、吐き気、便秘や下痢、腰痛、しびれ、知覚障害、皮膚 や粘膜の乾燥やかゆみ、関節痛、筋肉痛、膣炎、成功障害などなど。 え?これ全部更年期から来るの?と思うかもしれませんが、実はそ こが難しいところ。


ホットフラッシュを除くと、他の原因もあり得 ると言う事が、更年期の症状と呼ばれる症状が曲者だ、と言う所以 です。 では、私たち婦人科医はこれらの症状をさて、どうやって見分けて いるのでしょうか。


 実は、一発でわかる!なんてことは全くなく、例えば耳鳴りなら耳 鳴りが起きる原因になる疾患がないか耳鼻科で診ていただき、耳鼻 科的に問題がなければ更年期の可能性が高い、動悸なら循環器内科 で原因になる疾患がないか見ていただき循環器内科的に問題がなけ れば更年期の可能性が高い、などと地道に否定したうえで初めて更 年期による可能性が高いですね、と言う事なんです。


 更年期かと思いきや、命に係わる疾患だった、と言う事ももちろん あり得るのです。咳、鼻水が出ます!は、普通の風邪かもしれない し、新型コロナウイルス感染症かもしれないし、花粉症かもしれな いし、、と言う事と同じなんです。


 でもこの多岐にわたる症状。ここまであらゆる症状が総動員されて しまう病態を起こすって凄いですよね。


 いや、本当にエストロゲンおそるべし、なんですよね。ホルモンそ のものがものすごく微量しか存在しないのにかかわらず、いろいろ な場所に作用して、その微量のバランスが崩れるといろいろな症状 を引き起こしてしまう。


 実は女性の高血圧や、脂質異常は閉経期を境に増えるのですが、こ れはエストロゲンの急激な低下に関係していることが分かっていま す。


そして高血圧や脂質異常が継続すると動脈硬化が起こり心血管 系の障害へのリスクが高まることもすでに分かっています。


アメリ カの研究では46歳までに閉経を迎え、低エストロゲン状態が継続し た状況が続くと動脈硬化による心疾患、脳卒中のリスクが約 2 倍に 増加すると示されており、同じように骨粗しょう症のリスクも高ま ると示されていました。 


また、エストロゲンが脳の神経活動と密接に関係しているという研 究発表は多くあり、エストロゲンが気分の変容にかかわると考えら れていますし、また脳機能のそのものの様々な部分にもかかわって いることはわかっていて、記憶や、認知機能、睡眠などにも影響を 及ぼすことが分かっています。 


おそるべし『エストロゲンの低下』そして『更年期症状』。


では、私たちはこの状況をどう乗り越えていけばよいのでしょう か?


 次回のテーマはこれです。 まだまだ新型コロナウイルス感染症パンデミックは続きますが、皆 様が変わりなく過ごせますように。


ではまた次回お会いしましょう!